昭和38年花の生涯
第一作目! 大老井伊直弼を主役に取りあげた作品。原作は舟橋聖一作「花の生涯」主演は尾上松禄。
ほとんど映像は残されていない(1話と桜田門外の変のシーンのみ断片的現存)
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大河ドラマ特集で中井喜一の父親(佐田啓二)のシーンと桜田門外の変を断片時に視聴。
井伊家の女性スパイ村山たかが取りあげられている。
逸話として、桜田門外の変のシーン撮影は雪の季節ではないときに撮影したので苦労したとのこと。
主要人物:井伊直弼(尾上松禄) 村山たか(淡島千景) 長野主膳(佐田啓二) 水戸斉昭(嵐寛寿郎)
昭和39年赤穂浪士
赤穂浪士を取りあげた作品。原作は大佛次郎「赤穂浪士」主役大石内蔵助役は長谷川一夫。
1話の最高視聴率53.0%が破られてはいない伝説の作品。7話の松の廊下のシーンと47話が現存。
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「おのおの方、いざ」という台詞と、テーマ曲が有名。長く大石のイメージは長谷川一夫とまで言われた。
7話が松の廊下、47話が討ち入り。その間、人間模様が事細かく描かれている。
主要人物:大石内蔵助(長谷川一夫) 大石りく(山田五十鈴) 浅野内匠頭(尾上梅幸) 吉良上野介(滝沢修)
昭和40年太閤記
原作は吉川英治「新書太閤記」主役豊臣秀吉に緒形拳。日曜8時台放送は太閤記より定着。
平均視聴率は31.2%、最高視聴率は39.7% 42話「本能寺」が現存している。
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13年後の「黄金の日日」で緒方は秀吉を、高橋は信長といった同じ役を演じることになる。
逸話として「信長を殺さないで」という声が多く、本能寺の変が42回にずれこんだ。
後に三成役の石坂が信長に頭を下げ続けていたことを印象強く覚えていると発言している。
本能寺の変のフィルムは、本能寺と毛利攻めと撮影がばらけ後に繋いだため、奇跡的に残ったとされる。
主要人物:豊臣秀吉(緒形拳) 織田信長(高橋幸治) ねね(藤村志保) 石田三成(石坂浩二)
昭和41年源義経
原作村上元三「源義経」主役源義経役にを尾上菊之助。1話、33話、最終話と総集編が現存(未視聴)
3話の五条大橋のシーンの撮影風景を収録した映像がカラーであるらしい。総集編DVD化(未視聴)
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尾上菊之助は藤純子とこのドラマの共演が縁で後に結婚(後に琉球の風で夫婦役を演じる)
前作で主演だった緒方拳が弁慶役として出演。
主要人物:源義経(尾上菊之助) 弁慶(緒形拳) 静御前(藤純子) 常磐御前(山田五十鈴) 藤原秀衡(滝沢修)
昭和42年三姉妹
原作大佛次郎。主役は架空の人物で旗本の娘三姉妹より明治維新を見る。大河初の女性主演話。
19話と総集編前篇が現存。幕末から明治維新に至るまでの話(1967年は明治維新より100年)
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事実上の主人公である青江が倒幕志士などと関係性を持ち、物語が進んでいく。
新選組を始めとする佐幕派、薩摩・長州などの倒幕志士が数多く登場している。
主要人物:長女むら(岡田茉莉子) 次女るい(藤村志保) 三女雪(栗原小巻) 青江金五郎(山崎努)
昭和43年竜馬がゆく
原作司馬遼太郎「竜馬がゆく」。維新回天の立役者の一人坂本龍馬の一生を描く。主演北大路欣也
最後のモノクロ作品。現存は16話のみ。明治100周年を記念して制作。(16話視聴済)
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前作の登場人物が翌年に主演となるのは2013年現在に至っても「竜馬がゆく」以外ない。
視聴率は2013年現在、平清盛、花の乱に続きワースト3の低さ(14.5%)
NHKアーカイブスで放送により視聴。竜馬脱藩の話であったので全体的に暗く、武市の潔癖さが印象的。
主要人物:坂本竜馬(北大路欣也) おりょう(浅丘ルリ子) 武市半平太(高橋英樹) 乙女(水谷良重)
昭和44年天と地と
原作海音寺潮五郎「天と地と」。主役上杉謙信に石坂浩二、武田信玄に高橋幸治。
大河初のカラー作品。50話と総集編前篇が現存。春日山の屋敷跡をロケのために崩壊してしまった。
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前作の視聴率が及ばなかったため、これが最後、とスタッフの間では語られていた。
平均視聴率は25.6%。1話~8話まで子役が演じ、人気を博した。
主要人物:上杉謙信(石坂浩二) 武田信玄(高橋幸二) 乃美(樫山文枝) 宇佐美定行(宇野重吉)
昭和45年樅ノ木は残った
山本周五郎原作『樅ノ木は残った』。江戸期の伊達騒動を描く。主役原田甲斐に平幹二郎。
総集編と本編29話を覗く52話分が現存。総集編DVD化(総集編のみ視聴済)
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重厚のストーリーは傑作と評価が高い。
総集編が放送されたので視聴。原田甲斐が忠臣として描かれ、また登場人物が精神を病むなどがあり、
衝撃を受けつつ視聴。総集編であり歴史的知識が全くない時代だったが、引き込まれて見ていた。
時代や主題からか「暗さ」が見えた。最後の原田甲斐の壮絶さと「そなた1人の」の台詞が印象的
主要人物:原田甲斐(平幹二朗) 宇乃(吉永小百合) 伊達綱宗(尾上菊之助) 酒井雅楽頭(北大路欣也)
昭和46年春の坂道
山岡荘八原作『春の坂道(書き下ろし)』 江戸柳生の基礎を創った柳生宗矩に中村錦之助。
大河史上全く現存がない作品(視聴者よりモノクロ録画VTRが寄贈)
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全50話を見たい作品。殺陣が鬼気迫るもので、主演の中村錦之助は新陰流を体得し挑んだ。
中村錦之助ははまり役となり、この後「柳生一族の陰謀」「柳生武芸帳」で同役を演じる。
主要人物:柳生宗矩(中村錦之助) 柳生石舟斎(芥川比呂志) 沢庵宗彭(田村高廣)
昭和47年新・平家物語
吉川英治原作『新・平家物語』 平家一門と栄枯盛衰を描く。主役平清盛役に仲代達矢。
46話と総集編が現存。総集編DVD化(総集編視聴済)
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総集編を視聴した感想として、清盛の最後が特に印象的だった。清盛と時忠の会話部分「龍の爪を~」の
場面が息を飲むほどの緊迫感と演技力で拍手もの。前半の常盤と清盛とシーンもまた哀愁感があった。
主演の仲代は清盛の剃髪と同様に髪を切ったという。清盛を取り扱うと株価があがるという伝説あり。
主要人物:平清盛(仲代達矢) 平時子(中村玉緒) 平時忠(山崎努) 源頼朝(高橋幸治) 後白河院(滝沢修)
昭和48年国盗り物語
司馬遼太郎原作『国盗り物語』 前半は斎藤道三を主軸に、後半は信長と光秀に視点を置く。
斎藤道三役に平幹二朗、織田信長役に高橋英樹。総集編現存。総集編DVD化(未視聴)
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実質上の主人公は三人で、中でも信長がメイン。1話目が信長と濃姫の婚儀より始まり回想となる。
オンエア当時、信長の人気が凄まじく高橋英樹の出世作となっている。
司馬原作の「功名が辻」などのエピソードも交えている。道三が虎の目を槍で突き刺すシーンのみ視聴。
主要人物:斎藤道三(平幹二朗) 織田信長(高橋英樹) 明智光秀(近藤正臣) 羽柴秀吉(火野正平)
昭和49年勝海舟
司子母沢寛原作『勝海舟』 勝海舟役に渡哲也(9話降板)・松方弘樹
大河史上唯一途中で主役交代となった作品。38話39話44話と総集編が現存。未DVD化。
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脚本交代やトラブルが相次いだ作品だが、視聴率は幕末ものの中でも良い作品(24.2%)
途中降板のためその後の経費を石原プロダクションがすべてもったという噂あり。
主要人物:勝麟太郎(渡哲也・松方弘樹) 勝小吉(尾上松緑) たみ(丘みつ子)
昭和50年元禄太平記
南條範夫原作(書き下ろし) 徳川綱吉の側用人柳沢吉保の視点で「赤穂浪士事件」を描く。主演石坂浩二。
18話「刃傷松の廊下」と総集編が現存。総集編DVD化(未視聴)
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平均視聴率24.7%、最高視聴率41.8%。赤穂浪士討ち入りが12月14日に放送。
塩田問題により吉良が浅野を苛める設定で描かれている。史実に基づき陣太鼓は使用されず。
主要人物:柳沢吉保(石坂浩二) 大石内蔵助(江守徹) 柳沢兵庫(竹脇無我) 徳川綱吉(芦田伸介)
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